飛行機内で騒音をカットすることを前提に、筆者が最も最適であると考えるノイズキャンセリングヘッドホンWH-1000XM3を考察します。最適なノイズキャンセリングヘッドホンの定義は次の5つとします。
1.ノイズキャンセリングが強い
2.充電時間
3.着け心地がよい
4.有線に対応、イヤホンの変換ジャックがついている
5.持ち運びやすさ
sony
WH-1000XM3
1.ノイズキャンセリングが強い
ソニー独自開発の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」を搭載。
まずノイズキャンセリングの仕組みについて説明します。ヘッドホン本体には集音マイクが内蔵されています。このマイクが感知した周囲の騒音の周波数とは逆の周波数の音をヘッドホンが出すことで、騒音を聞こえにくくするというものです。ノイズキャンセリングと一言で表しても、集音するマイクや周波数を計算するプロセッサーの性能によって精度が異なります。WH-1000XM3では、sony独自の「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」を採用することで、ノイズキャンセリングの効果が強化されています。sony調べによるとその効果は前機種WH-1000XM2の4倍。実際に飛行機で使用したところ、エンジン音はもちろん、機内の子供の泣き声もカットできました。ノイズキャンセリング効果は現状、全ての製品の中で最上級と言っていいでしょう。
ノイズキャンセリング機能をユーザーの装着状態や環境に合わせて最適化する「NCオプティマイザー」
ヘッドホンを装着した状態で電源ボタン横のNCボタンを長押しすると、周囲の状況や個人差(髪型、メガネの有無、装着ズレなど)を検知し、ユーザーひとりひとりに合わせてノイズキャンセリングを最適化してくれる機能です。また、気圧センサーも搭載されており、飛行機に乗っているときに変化する気圧に対応したノイズキャンセリングを実現してくれます。
飛行機の音を打ち消せるレベルのノイズキャンセリングは、効果が強すぎてホワイトノイズや耳が圧迫される感じが苦手という人もいるでしょう。WH-1000XM3は「NCオプティマイザー」機能により、飛行機に乗るときはもちろん、自宅や外出時にもその状況に応じたノイズキャンセリングを提供するので、その心配は少なくなると思います。実際、前機種のWH-1000XM2に比べて、飛行機内でのノイズキャンセリング制度は向上し、地上での耳への圧迫は限りなく小さくなったと感じられます。飛行機内では実用的ではないですが、スマホのアプリと連動することで、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンの行動を検出し、状況に合わせたノイズキャンセリングを自動で提供してくれる「アダプティブサウンドコントロール」機能もあります。
ヘッドホンを外さず瞬時に周囲の音を聞ける「クイックアテンションモード」
右側のハウジング(耳に当てている部分の外側)に手を当てると、一時的に音量を絞り外部の音を取り込みやすくしていくれる機能です。フライトアテンダントと会話する際にいちいちヘッドホンを外す必要がなく便利な機能です。
2.充電時間
ノイズキャンセリングをONにした時の最長使用時間は30時間です。長距離フライトも怖くありません。また10分の充電で5時間再生が可能なクイック充電にも対応しています。
3.着け心地がよい
低反発ウレタンが耳全体を包みこむように装着できます。接地面積が広く、これによりヘッドホン特有の側頭部が締め付けられる感じを軽減してくれます。ヘッドホン全般のデメリットですが、10時間を超えるフライトでは側頭部に痛みが出てくることもあることも念頭においておきましょう。次に紹介するBoseの方が圧迫感は少なく感じました。
4.有線に対応、イヤホンの変換ジャックがついている
せっかく機内に持ち込むならば映画や音楽も楽しみたいものです。WH-1000XM3にはケーブルと2穴対応のイヤホンの変換ジャックが付属しているので、エンターテイメントも余す所なく楽しむことができます。
5.持ち運びやすい
ヘッドホン、有線ケーブル、変換アダプタを収納できる専用のケースが付属しています。ただし、ヘッドホンを折りたたんで収納するとはいえ、専用ケースは機内の座席ポケットにぎりぎり入るぐらいの大きさなので、手荷物としてはかさばります。これはヘッドホン全般に言えることでしょう。
まとめ
ノイズキャンセリングが強い | ◎ |
充電時間 | ◎ |
着け心地がよい | ◯ |
有線に対応、イヤホンの変換ジャックがついている | ◎ |
持ち運びやすい | △ |