漬けておくだけで「柔らかく」なり「うまみが増す」
「塩麹」には三大酵素と呼ばれる「アミラーゼ」(でんぷん質を糖に分解する)、「プロテアーゼ」(タンパク質をアミノ酸に分解する)、「リパーゼ」(脂肪を分解する)が含まれています。要するに漬けておくだけで、肉、魚、野菜が柔らかくなり、うまみが増すのです。おまけに酵素は消化を助け、免疫を高める働きがあります。おいしいだけでなく体にも良い調味料、それが「塩麹」です。
今回はシャープの「ヘルシオホットクック」を使用して塩麹を作ります。なぜホットクックを使うのかの理由も説明します。炊飯器でも代用可能ですので、炊飯器を用いたレシピは「ヘルシオホットクック」に続いてご紹介します。
材料
- 米麹(200g)
- 塩(60g)
- 水(300ml)
塩分控えめという事で食塩の量を減らす方もいらっしゃいますが、食塩の量を減らすと塩分濃度が低くなるため腐敗や悪臭の原因となります。塩の計量はしっかりしましょう。
https://marukawamiso.com/recepi/siokouji-recepi.html
※今回はホットクックのレシピ本に沿った分量となっています。米麹が100gのときは、塩と水はそれぞれ半分の量にしてください
作り方
内鍋にクッキングシートを敷く
あらかじめホットクックの内鍋にクッキングシートを敷きつめておき、その上から材料を入れると、容器に移し替えたり後片付けをするときに楽ができます。気にしない人はなくても大丈夫です。
米麹のかたまりをバラバラにする
米麹をパックから出して、細かくほぐします。はじめから細かくなっているタイプのものはこの作業は省いてそのまま使ってください。
米麹と塩をよく混ぜる
米麹と塩をよく混ぜ合わせます。
混ぜ方が雑で塩が全体に行き渡っていないと、せっかく作った塩麹が腐敗する事もあります。
https://marukawamiso.com/recepi/siokouji-recepi.html
水を加える
最後に水を加え、ホットクックにセットします。「メニューを選ぶ→カテゴリーを探す→発酵・低温調理→塩麹」を選択しスタートボタンを押します。あとは6時間待つだけ!
消毒した容器に移し替える
塩麹ができあがったら、容器に移し替えましょう。このとき、使用する容器やスプーンは、あらかじめ熱湯消毒やアルコールで除菌をしておきましょう。こうすることで、容器の中で余計な菌が繁殖するのを防ぐことができます。ここで紹介するパストリーゼは、酒造メーカーが作るアルコール消毒液です。口にしても安全で食品使用することもでき、プロの製菓の現場でも使用されています。
ホットクックを使うメリットとデメリット
なぜわざわざヘルシオホットクックを使うのか。筆者が考えるメリットは3つあります。1つ目は「勝手に混ぜ合わせてくれる」、2つ目「面倒な温度管理を自動で行ってくれる」、そして3つ目は「時間がかからない」です。デメリットは「自然発酵の塩麹には味が劣る」点です。
勝手に混ぜ合わせてくれる
ヘルシオホットクックには混ぜ技ユニットというパーツがついています。クレーンゲームのクレーンのような2本の腕が収納されていて、タイミングをみて自動的に混ぜ合わせてくれます。本来塩麹は毎日1回、かき混ぜる作業を10〜14日続けることでようやく完成します。混ぜ合わせることで発酵具合が均一になり、おいしい塩麹となるのです。この作業をヘルシオホットクックは自動で行ってくれます。
面倒な温度管理を自動で行ってくれる
麹に塩と水を混ぜ60℃をちょっと下回るぐらい(以下60℃ぐらい)の熱を加えることで、短時間で塩麹を作ることができます。実際には熱を加える代わりに60℃ぐらいのお湯を使用するわけですが、わざわざ温度を測るのって面倒じゃありませんか?適当でいいじゃないかと思うかもしれませんが、そうはいきません。なぜなら60℃を超えると、旨味を出してくれる酵素のパワーが弱まってしまうからです。さらに、でんぷん質を糖に分解するアミラーゼが活発になるのも60℃ぐらいです。60℃ぐらいというのにはきちんと理由があるんですね。ヘルシオホットクックであれば、面倒な温度管理も自動でやってくれます。
時間がかからない
ヘルシオホットクックを使用すると、6時間で塩麹を自動調理してくれます。(しかも何もせずに待つだけ!)本来塩麹を作るのには10〜14日ほどかかることを考えると、助かりますね。
やはり自然発酵の塩麹が一番おいしい
とても便利なヘルシオホットクックですが、時間をかけて自然発酵した塩麹には味が劣ります。通常塩麹を作るためには、常温で自然発酵をさせなければいけませんが、ヘルシオホットクックは60℃ぐらいの熱を加えることで強制的に発酵を加速させます。60℃ぐらいというのはアミラーゼが最も活発になる温度です。しかしこの温度になると、旨味を出してくれる酵素のパワーが弱くなってしまいます。このため、熱を加えて作った塩麹は「甘味は強いものの自然発酵させた塩麹に比べて旨味成分が乏しく」なってしまうのです。時間をとるか、旨味をとるか、悩ましいところです。